2011.10.02 Sunday
夕張清水沢アートプロジェクト
夕張清水沢アートプロジェクトに出かけた。以下はフライヤーに掲載さえれていたメッセージ。
『日本経済の発展をエネルギー面から支えてきた北海道の炭鉱。なかでも夕張の石炭は、最高級の原料用炭として重宝された。30年前まで炭鉱が操業していた清水沢地区には、今でもズリ山や炭住が残り、そこに住む人々の間には炭鉱コミュニティが息づく。
100年にわたる炭鉱の歴史、その後の脱炭鉱の歩み、2006年の財政破綻など、光と陰の両極を経験した夕張。かつての記憶が薄れゆく中、空知各地の炭鉱電力の中枢であった「旧北炭清水沢火力発電所」から、アートの力で炭鉱の記憶を掘り起こすメッセージを発信する。』
ハルカヤマ藝術要塞における自らのサイトスペシフィックと比較しながら夕張清水沢アートプロジェクトを鑑賞した。ハルカヤマは元観光ホテル(シーサイドホテル)の敷地における大自然と廃墟という場における記憶と再生が作家間の共有(?)するコンセプトだとすると、清水沢のそれは忘れられた「記憶の再生」の(補助的)担い手としてのアートの在り方を探ることか。
会場となる旧北炭清水沢火力発電所の建造物のその迫力が圧倒的存在感として
立ちはだかる。自然に対しては(ハルカヤマの場合)ひとりの人間の企て(自らのコンセプト及び作品の方向性)を謙虚にさせるが、ここでは状況が異なる。
過去の(栄華の)記憶の掘り起こしから現在進行形に繋がるメッセージ性を表現しなくてはいけない。そういう意味では学生はともかく参加(招待)作家はもっと強い打ち出し方があったように思う。
いずれにせよ、北海道という地域特性(及び歴史)とアートとの関わりに問題提起をしてくれる良い事例であることは間違いない。